もくじ
はじめに
ベティ・エドワーズ の「色彩・配色・混色: 美しい配色と混色のテクニックをマスターする」を参照に色彩について書きます。その二回目です。
色彩について捉える時には色相環が役にたちます。青、赤、黄色の原色の配置やそこから生まれる紫、オレンジ、緑の等和色、さらにイエロー・オレンジ、レッド・オレンジ、レッド・バイオレット、ブルー・バイオレット、ブルー・グリーン、イエロー・グリーンという第三色の位置関係。隣り合う類似色の関係、向かい合う補色の位置関係についてです。
実際に色彩するときにパレットに絵具を色相環のように配置すれば作業もしやすくなります。色彩について考える時には左脳モードになりやすいので、なるべく簡単に色彩できるように準備をしておいて、右脳モードで色彩について捉えていきましょう。
色相環
1666年にアイザック・ニュートンによって考案された色相環の大きな利点は、色彩の相互関係を示していることです。
円のなかに配置されている色彩の関係を視覚化出来て覚えやすいです。
色相環で隣接している色どうしの類似性や、反対側にある色どうしの対称性が明らかになります。類似色(色相環でとなりあう色どうし)や、補色(色相環の反対側に位置するどうし)です。
隣接する色相は明度だけでなく色調も似通っています。美術では類似色と呼びます。色相環を見れば類似色の確認にも役立ちます。
最もコントラストの強い色どうしが色相環の正反対に位置していることを目で確認できます。美術ではそれを補色と呼び、混ぜ合わせると色の彩度を落とすことができます。色相環を見ると補色の確認にも役立ちます。
原色
3つの分光色であるイエロー、レッド、ブルーは、色相環において等距離の位置関係にあり、正三角形で結ばれています。この3つの色は、原色と呼ばれています。
原色は、色の絵具を混ぜてもつくることができません。
3つの等和色(二次色)
オレンジ、バイオレット、グリーンは等和色と呼ばれています。
三原色と同じように、これら3つの色は、色相環において等距離の位置関係にあります。
二次色と呼ばれるのは、それらが理論的には三原色を親として生まれるからです。
オレンジはレッドとイエローから生まれ、バイオレットはレッドとブルーから生まれ、グリーンはブルーとイエローから生まれます。
しかし、理屈とは違い、絵の具をじっさいに混ぜてみるとひどく濁った色になってしまいます。それは、絵具に化学的な欠点があるためです。
6つの第三色
第三色は第三世代の色であり、原色と等和色の組みあわせで構成されています。これら6つの中間色はいずれも、2つの色からなることを示す複合的な名称をもち、それぞれイエロー・オレンジ、レッド・オレンジ、レッド・バイオレット、ブルー・バイオレット、ブルー・グリーン、イエロー・グリーンと呼ばれています。
相環を見ると、イエロー・オレンジ(第三色)はイエロー(原色)とオレンジ(等和色)のあいだに位置することがわかります。
6つの第三色は、イエロー・オレンジ、レッド・バイオレット、ブルー・グリーンというように、かならず原色の名称が最初にきています。
類似色
類似色とは、たとえば、オレンジ、レッド・オレンジ、レッドのように、色相環でとなりあっている色のことです。
類似色は同じような光波を反射するため、本質的に調和しています。
類似色は、ブルー、ブル-・グリーン、グリーンのように3つに限定されるのがふつうです。4番目のイエロー・グリーンと、5番目のイエローも含めてよいと思われます。
しかし、イエローのとなりにあるイエロー・オレンジを含めると、類似色の連続はとぎれてしまいます。
イエロー・オレンジに含まれるオレンジは、色相環ではブルーの反対色であり、対立する波長を反射するからです。したがって、類似色は、色相環を小さく切り分けて3色か4色、あるいは最大で5色にしたものと考えることができます。
補色
補色とは、色相環で向かいあっている2色のことです。complementという言葉の意味は、「完成させる」とか「不足をおぎなって完全なものにする」ということです。
色彩において、補色は、すべての理論上の親であり先祖である三原色の中心的、基本的な役割を補完しています。
補色関係にある2色のなかには三原色がすべてそろっています。
イエローとその補色であるバイオレット(レッドとブルーの混色)
のなかには、三原色であるイエロー、レッド、ブルーがすべてそろっている。
レッドとその補色であるグリーン(イエローとブルーの混色)のなかには、三原色がすべてそろっている。
ブルーとその補色であるオレンジ(イエローとレッドの混色)のなかには、三原色がすべてそろっている。
目に見える色を混色によってつくれるようになるための最初の鍵は、色相環の構造上の相互関係原色、等和色、第三色、類似色、補色を理解することにあります。
おわりに
色の位置関係を理解できていれば、色彩について戦略をたてやすくなります。色の彩度を抑えようと思えば補色を混ぜる。補色はその色と向かい合う位置にある色です。
補色は、complementといいます。「不足をおぎなって完全なものにする」という意味があります。緑色を下塗りにして補色である赤を上塗りすることで透明感ある肌の色を表現することが出来ます。
補色を上手く配置すれば互いの色を際立たせることも出来ますが、隣に配置してしまうと境界がちらつくハレーションを起こしてしまいます。
類似色は反射する光の波長が近い為、統一感を持って彩色することができます。
表現する作品に応じてこれらの知識を活用してください。
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