ペインティングナイフについて

はじめに

 ペインティングナイフは筆と違う表現が可能です。使う絵の具の量が筆よりも多く、鮮やかな着色が可能なのでイメージした絵や描く対象を早く具現化することが出来ます。滑りも筆に比べると早いので、イメージをそのまま描けたり、考える間がなく感覚を使い描くことを楽しめます。イメージの具現化が早く感覚で描けることから初心者に向いているとも言えます。

 描くというよりは形から組み立てたり削ったりする作業に近いとも言えます。ペインティングナイフ、パレットナイフとさまざまな形のナイフがあるので色々試してみてください。

ペインティングナイフとは

 ペインティングに使うナイフは大きく分けて2種類あります。絵の具を混ぜるパレットナイフと、キャンバスに描く用のペインティングナイフです。

 ペインティングナイフは、先端が菱形のようになっていて、サイズも太さや長さは様々あります。絵の具を厚く盛ったり、コテのようにもちいたりり、絵の具を削ったり、引っかいたりして使います。

 パレットナイフ

 真っ直ぐなのがパレットナイフです。柄から、ブレードが真っ直ぐに出ています。パレットの上で絵の具を混ぜるのに使います。先端のエッジの部分でくるくる混ぜたり、ブレードの平らな部分を押し当てながら絵の具を撫ぜるように混色することも出来ます。

 ペインティングナイフ

 曲がっているのがペインティングナイフです。柄からブレードでのネックの部分が曲がっていて、キャンバスに押し付けて使っても手が汚れないようになっています。

 手入れは筆に比べると簡単です。ブレードについた絵の具を拭いとるだけでなので楽です。

ペインティングナイフの使い方

 ペインティングナイフの使い方

 ブレードですくい取った絵の具を、キャンバスに押し当てて、平たく塗り広げたり、絵具を厚く盛って塗りあげたりして表現します。

 絵の具の厚さや流動性でナイフの軌道がぶれやすいので注意しましょう。感触を楽しみながら描くことも大切です。

 押しつける強さやスライドさせる速さにより様々な表現が可能です。

 ブレードの先端に少し力を入れて表面を削ることも可能です。

 エッジの部分に絵具を乗せて画面につけると

直線が引けます。また、エッジの部分で引っ掻くことで絵の具を削り、下地の色味を表に出し細い線を表現することができます。

パレットナイフの使い方

 一般的な利用方法としては、パレット上で絵具を混色することです。、好みに合わせてムラなく混色したり、少しだけ混色したり出来ます。

 描くことに使うことも可能です。フラットな面はペインティングナイフよりも広いので、広く平面的に色を塗ることが出来ます。

 先端を使用して曲線の形に色を置いたり、エッジの部分で直線を描いたりすることも可能です。

ペインティングナイフ・パレットナイフの手入れ

 使用後はティシューペーパーなど拭き取りましょう。そのままで放置すると絵の具が固まります。固まってゴツゴツした表面になります。

A picture drawn with a painting knife

ペインティングナイフ初心者

 上手く描こうとせずに感覚的に楽しみながら制作するのに向いたツールです。初心者でも時間を決めて描きたいように描けば楽しめるでしょう。

 筆で塗るのと比べると絵の具の量がやや多めに必要になります。描く時には滑りが良いです。表現としてはヒラ塗りではツルツルした表面、盛り上げれば立体的な表現が可能です。あまり考えないで勢いよく描くことが可能で、それは筆を使うのよりもスピードを出せます。思考を振り切り感覚で描くことが可能です。

ペインティングナイフの種類

 ペインティングナイフのブレードは様々な形状のものが販売されています。

菱形のペインティングナイフ

 ブレードが長めで先端が細くなっている菱形のペインティングナイフです。

  油絵の初心者にも扱いやすいナイフです。

パレットナイフ

 パレット上で絵の具を混ぜるナイフです。柄の先から、ブレードが真っ直ぐに出ています。

  固まった絵の具を削ぎ落とすのにも使えます。

スクレーパー

  肉厚で固く、削りやすい形状が特徴です。キャンバスやパレットに固まった絵の具を除去するためのナイフです。古いキャンバスを再利用したい場合などに有効的です。

小さいペインティングナイフ

 細かい絵を描きやすいので小さいキャンバスに絵を描くのに向いています。

A picture drawn with a painting knife

おわりに

 ペインティングナイフはこてでセメントを塗るように平面を塗ったり、絵の具を盛り上げたり、傷つけるように引っ掻いたり、側面で直線を引いたり、さまざまなことが可能です。

 私はペインティングナイフを握っていると筆を持っているよりも身近な動作に感じます。人類はナイフを握って暮らした時間が長いせいかもしれません。キャンバスの前でペインティングナイフを握っていると、筆とは違った高揚を感じます。

 筆で使うよりも多い量の絵の具をキャンバスに押し当て滑らせるのは気持ちの良いものです。小さなペインティングナイフは細かい箇所に使えます。

 良いペインティングナイフはネックの箇所が柔軟です。柔らかい方が強く弱くの力加減がしやすいと考えます。片付けがティシューペーパーで拭うだけという手軽さも魅力です。


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コメント

“ペインティングナイフについて” への1件のコメント

  1. […] ペインティングナイフについてはこちらも参照してください […]

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