初心者向け絵画道具徹底解説!!

はじめに

アナログで絵を描く道具について解説していきます。身近な道具から高級な画材まで、さまざまな画材があります。

コピック

色数が358色と豊富で発色がよく、特にブラシの精度が高いアルコールマーカーです。

イラストレーションやマンガ、絵画と幅広く利用されています。

初心者は薄めの色からそろえていくのが良いでしょう。

薄い色なら使う紙や塗り重ね方で濃さも出せるし、グラデーションもつくりやすくなります。

濃い色は、線からのハミ出しも目立ってしまいます。

インクの揮発性が高いため乾燥・高温に弱いです。そのためフタの締め忘れに注意が必要です。

コピックコレクション

http://copic.jp/copic-collection/

色彩豊富なためコピックの色数を管理や色調の確認、店舗の検査に役立つ無料のスマートフォン用アプリケーションです。

油絵具 

乾燥が遅く修正も容易な油絵は、作品の完成度にこだわる人には最適の画材と言えます。

溶き油は種類が多く、特徴をよく知っておく必要があります。

〈油絵具の特徴〉

油絵具を溶くのに画用液という専用の油を使います。キャンバスや、ジェッソ などで下地処理をした板(木製パネル)など、 油を吸い込まないものに描きます。紙に油絵具を塗ると、紙が油絵具の油分を吸って経年劣化でボロボロになってしまいます。

メリット

  • 厚塗り、薄塗りどちらも可能で、表現の幅が広いです
  • 乾燥しても絵具が痩せず、ツヤを保ち続ける
  • 絵具が劣化しにくく、作品の長期保存に向いている

デメリット

  • においが強く、毒性を含むものがある
  • 乾燥が遅い
  • 他の絵具に比べ高価

画溶液

絵具と混ぜてすぐに使える画用液

「調合溶き油」と呼ばれ、様々な原料を最適な比率で調合したもの。ペインティングオイルもこの調合溶き油です。

自分で溶き油を作る時に使う画用液

【乾性油】

空気中で酸化して固まる油です。調合溶き油の主成分にもなっています。絵貝自体にも練り込まれています。

リンシードオイル

ポピーオイル

【輝発性油】

揮発性なので蒸発し、画面には残りません。 絵具をシャバシャバの状態にして描く時や、 溶き油の濃度を調節する時に使います。

テレピン

ペトロール

【樹脂溶液】

油絵具に光沢と流動性を与えます。

ダンマルバニス

溶き油は基本的に、乾性油と揮発性油を4:6の割合で組み合わせて作ります。 

パレット

油彩用パレットは、絵具が流れていくことがないので、水彩用のような仕切りがなく板状です。木製のものや、ペーパーパレットがあります。

ペーパーパレットは、メモ帳のように使い終わったら一番上の紙を破って新しい面に変えられるので便利です。

油彩パレットの使い方

手に持って使う場合、 穴の開いた部分に親指を入れ、腕にのせて水平を保ちながら使う。

油つぼは、ブレの少ない親指近くに取りつけましょう。画用液は半分くらいまで入れます。

使用後はパレットナイフなどですくい取り、『テレピン』などを布に含ませてきれいに拭く。

絵具がパレットの上で固まってしまったら、 剥離剤を使って取り除く。

油壺

絵を描く時に画用液を入れておくための容器です。底面がクリップになっていて、パレットにはさんで使えます。

く油壺の使い方〉

画用液は、 油つぼの半分くらいまで入れて、汚れてきたら布や紙に染み込ませて取り除き、 新しいものと入れ換えて使いましょう。

なるべくその日のうちに使い切りましょう。長期間入れっぱなしでいると油つぼの中で酸化が始まってしまいます。

形状と種類

そろばん型

パレットを傾けても、 こぼれにくい形状。

2連型

揮発性油と乾性油など、2種類の画用液を使用する時に使う。

ペインティングナイフ

刃の先端が曲がっているのがペインティングナイフ。

柄からまっすぐ伸びているのがパレットナイフです。

ペインティングナイフ

パレット上で混ぜた絵具をすくい取り、画面に塗るための道具です。 筆を使うよりも1度に多くの絵具を画面にのせられて、エッジのきいた塗り跡を残したり、コンクリートはけを塗るように厚く平滑な画面作りができます。大きさや形状もいろいろあります。

ペインティングナイフについてはこちらも参照してください

パレットナイフ

パレット上で絵具やメディウムを混ぜ合わせる道具です。

缶から下地材を取り出す時や、 絵具を練り合わせる時に使います。

使った後はしっかり拭き取って長もちさせましょう。

油絵筆

太く、腰がある豚毛は物質感のある油絵に最も適した筆の一つです。

油絵具の流動感を生かした筆跡や質感を出せるのは豚毛ならではです。

他に軟らかい動物毛、ナイロン毛、リセーブルというナイロンに動物毛の特徴をもたせたものがあります。

軟毛は、仕上げの描き込みや絵具を溶き油で溶いて薄くのせるときに使います。

筆を長く保たせるには、毎回丁寧に洗浄しましょう。

筆の太さは番号が大きい方が太い

ラウンド

(丸)

含みがいいので絵具の伸びがよく全般に使えます。

フラット

(平)

平らな面、タッチを

効かした描写に適

する。細い面

で使えば、細かい表現もできる

フィルバート

(平)

フラットより角が丸みをおびている

ファン

(平)

主にグレーズのと

きに使われる

面相筆

(日本画用の穂先の細長い絵筆)細かい描き込みが出来る

筆洗液/筆洗器 

油絵具のついた筆は水では落ちません。専用の筆洗液を筆洗器に入れて洗います。

筆洗液

製作中に使用する石油系と、後片付けに使う水性の物があります。水性のものは水彩絵の具やアクリル絵の具の洗浄にも使えます。

筆洗器 

筆洗液を入れる金属製のバケツです。筆洗液は揮発性のものが多いので、油絵用の筆洗器は金属製で蓋がついています。中にある仕切りで絵具をしごいて落とします。

イーゼル 

絵を描く時にキャンバスなどをのせる台です。

看板置きやディスプレイにも使えます。

イーゼルのサイズと種類

屋内用イーゼル (3尺)

最大制作サイズF30号 (約900mm)。デッサンや小さめの作品に。

屋内用イーゼル (4尺)

最大制作サイズF50号 (約1,150mm)。少し大きめの作品制作に。

屋内用イーゼル(5尺)

最大制作サイズF80号(約1,450mm)。大きな作品を制作する時に。

折りたたみ式野外イーゼル

屋外での制作には

折りたたみ式の野外イーゼルが使えます。高さ調整や持ち運びに便利です。

卓上イーゼル

小さい作品制作やディスプレイに。

キャンバス 

張りキャンバス

主に油絵を描く時に使う支持体で、木製の枠に白い塗料が塗られた布が張られています。

く張りキャンバスのサイズ〉

キャンバスのサイズは「F4」のようにアルファベットと数字の組み合わせで表記されます。

数字が大きいほど大きいサイズになります。アルファベットは縦横の長さの比率になっています。

Fは「Figure」の略。人物という意味。

Pは「Paysage」の略。風景という意味。Fサイズの短辺が少し短くなった規格。FとMの中間のサイズ。

Mは「Marine」の略。海景という意味。Pサイズよりもさらに短辺の短くなったサイズ。

キャンバスの種類には油性、水性、両用があります。水性と油性を間違えないようにしましょう。

鉛筆 

鉛筆の濃さは、鉛筆に記されているアルファベットと数字の組み合わせで見分けることができます。

〈鉛筆の芯の濃さと硬さ〉

H:HARD 

芯は硬く、濃さは薄い

F:FIRM

HとHBの間。

B:BLACK

芯は柔らかく、濃さは濃い

2H〜HB

メリット

  • 細かい描写に向いている
  • 芯が摩耗しにくい

デメリット

  • 全体的な強弱をつけにくい
  • 強い筆圧で描くと消した後に描き跡が残る

3B〜9B

メリット

  • 濃淡、立体感のある画面になる
  • 強弱のある線が引ける
  • 広い範囲を塗りつぶすのに便利
  • 絵をぼかしやすい

デメリット

  • 手が汚れやすい
  • 芯が折れやすい

初心者はHB、2 B、4Bを使用し、実際に絵を描きながら必要な濃さを足していきましょう。鉛筆を使ったデッサンについてはこちら。

色鉛筆

色鉛筆は身近な画材です。子どもの頃に使っていた、普通の色鉛筆のことを油性色鉛筆と呼びます。温かみのあるタッチが特徴といえます。

色鉛筆は線を引くことが得意な画材なので、細部の描き込みに向いています。

水彩やコピックなどとの相性も良く、ラフや下描き、主線にも使える優秀な画材です。

色鉛筆は、描く紙や筆圧で多様な表現が出来ます。

色鉛筆の種類や描く紙の種類でも、作品の表情は大きく変わります。

色鉛筆には芯の硬軟や、油性水溶性タイプなど多数の種類と色数があります。

油絵に淡く着色したい時にも使用することができます。ほかの画材と組み合わせて使うこより、絵の可能性は無限大に広がるでしょう。

パステル

ソフトパステル

クレヨンのような棒状のパステル。

少量の結合剤で作られているため、非常にやわらかい。

色の伸びが良く、ぼかしなどの表現に適している。

強く使えば強力な彩色画材になる。

あらゆる色の淡色が揃っているので繊細な立体感表現もできる。

折れやすいたため注意が必要。

ハードパステル

ソフトバステルよりも結合剤を多めに使った硬めのバステル。

硬さがある。

線を描くのに向いている。

側面を使って面で塗ることもできる。

カッターなどで削って粉にしても使える。

<パステルの注意点>

パステルはとても粉っぽいので、触っただけで色が着くので取扱いに注意が必要です。 作品が完成したらパステル用の定着液で定着させましょう。

パステルの粉

パステルはナイフで削ればすぐ粉になりますから、それを筆や脱脂線を使ってドライウォッシュ(指先を使ってパステルの粉で描く技法)として使います。

水彩絵具 

透明水彩 

小学生の時に使ったことがある人も多い、身近な画材です。

透明水彩は絵具と筆と水、そして水彩紙を用意して描きます。 チューブに入った透明水彩絵具は、パレット上に絞り出して準備します。

乾燥して固まったものは水を含ませた筆で溶かして使いましょう。

丸筆 強弱のある線塗り

   描き込み

平筆 画面全体を平塗りする

   規則性のあるタッチなど

面相筆 細部描き込み

<筆選びの注意点>

筆は新品の状態だと穂先が糊で固められていて、細く見えますが水や絵具を含むと穂先が太くなります。筆を選ぶ時はイメージより少し細めのサイズの筆を選びましょう。

画用紙に水彩絵具で絵を描くと、紙が波打ってしまいます。水をたっぷり使いたい時は水彩紙がおすすめです。

アクリル絵具

乾燥が速く、様々な素材に描くことが出来ます。アクリル絵具は乾きが速く、乾いたら耐水性になります。

大きな作品作り、屋外に飾れる作品作り、限られた時間での絵画作成に向いています。

作品に様々な効果を与える下地材やメディウムも豊富です。

<アクリル絵具を使う時の注意>

ペーパーパレットを使う

アクリル絵具は定着力が強くパレットの上で固まるため、使い捨てできるペーパーパレットがおすすめです。

筆をこまめに洗う

筆先で固まってしまったアクリル絵具は水では落とせません。

肌につかないようにする

アクリル絵具は水彩絵具に比べ汚れが頑固なので、なるべく肌につけないようにしましょう。

水と石鹸でしっかり洗えば落とせます。

エプロン、作業着を用意する

衣服にアクリル絵具がついた時、すぐに洗わないと取れなくなるため、エプロンや作業着を着用しましょう。

まとめ

文房具として使用する鉛筆も使い方を変えたら画材となります。画材には様々な種類があり、何を使って絵を描くか考えている方にこの記事が参考になればと思います。

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油絵の描き方についてはこちら


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