はじめに
油絵には魅力があります。
油絵の具で描かれた絵には存在感、美しさ、空間を感じられます。
私は初めて油絵を描いた時には、肉を創造しているような、創造主になったような興奮を覚えました。
イメージ通りの色をさっと塗ることができるので空想が盛んな子供たちが使えば良いのではないかと考えています。
キャンバスは額に入れる必要も無く突起のある画鋲2つで簡単に飾ることが出来ます。写真やポスターとは存在感が異なります。
ここでは私が油絵の描き方について油絵初心者の方に説明します。
これが、あなたが油絵を始められるきっかけになればと思います。
もくじ
油絵の描き方
下絵を描く
絵の具のイエローオーカーなどを画溶液でゆるく溶き、全体の主な形を描き、おおまかな位置をきめましょう。
荒描きをする
大きな平筆で、各部を大まかに色分けをして塗っていきます。
各部の明暗の関係を見ながら全体的に筆を進めます。
陰の部分から明るい部分へと色をつけましょう。
光の方向をよくみて、陰の部分と明るい部分の色をつけます。
モチーフをよく観察し、下記のポイントに注意します
- 全体に暗すぎないか
- ある色だけが妙に浮き出していないか
- 最初に決めた形が違っていないか
細部を描き込み形を整える
全体の明暗のパターン、色の関係をこわさないように細部を描き込んで仕上げます。
油絵の描き方地塗り
油絵の特徴の絵の具の流動感、厚み、その物質感を出すために地塗りをします。
地塗りを施すことにより画面の厚みや仕上がり感が変わるでしょう。
作者の制作意図により、用いる塗料や材質が変わり、 その上の画面の質感と描き方に影響します。
様々な地塗り材がありますが、基本的な地塗り材を試してみて、その効果を知りましょう。
描く絵によって使う絵の具や方法が違うので一例を紹介します。
イエローオーカーをテレピンまたはペトロールでゆるく溶く。
大きめの平筆で全体に塗ります。
全体にうすく伸ばし布できれいにしましょう。
白いキャンバスに地塗りをすることで、絵具の明るさが見やすくなり、塗り残しの感じがおさえられます。
油絵での人物の描き方
下描きをします。
背景、人物と色を置いていきます。
肌の明るい部分を描きます。
面の変化で、頬骨、鼻筋など細かくなりすぎない程度に形態の変化を捉えましょう。
腕や手は曲面の変化を観察しながら明るさを調整して、形態を表現します。
上唇の凹みは暗めの色で、下唇は明るくします。
鼻梁のラインや類骨の高さは、 肌色にホワイトを混ぜた明るい色で描きましょう。
手、指は、骨格部分を追って明るい色を乗せます。
目の表現と肌の張りを、 色の階調を滑らかにして仕上げるましょう。顔の骨格の凹凸を潰さないように自然な肌の張りを描きます。
油絵で風景画を描くには
下描き
木炭で自分の思い通りの構図ができるまで何度も繰り返して描きましょう。
描き始め
最初の色数は2~3色程度に抑え、黒以外を使います。太めの筆で、できるだけ大まかに色合いや明暗の変化を描きましょう。
薄く色をのせたら、溶き油をほとんど使わずに、厚塗り気味に絵具をのせます。
大まかなタッチを意識しながら描きましょう。近景は明暗の変化を大きく、遠景はぼやけた感じになるように演出します。
中塗り
画面全体に大まかに色をのせたら、タッチを細かくしながら、再度色を重ねていきましょう。
仕上げ
画面の奥行きや広がりを意識して描きましょう。
近景の空は青々と大きなタッチで描き、遠景の空は白を加え、ぼんやりとした青を意識します。
地面に広がる草は、遠近感をつくるために、遠くを細かなタッチ、近くを大きなタッチで描き分けましょう。
油絵で光を表現するには
- 油彩画は暗部から明部へと進めていくのが基本です。
- モチーフを大きく暗、中間、 明の3色のパートで分けて色をのせましょう。塗っていくというより、色をおいていく感じにしましょう。
- 図面のどこから光が来るかを考えながら影を加えます。
- 一番黒い色の隣が一番明るい色を表現できます。
- キャンバスの白をそのまま活かすこともできます。
- 地塗りでイエローを使用すると明るい光を表現しやすくなります。
- 仕上げにペインティングナイフで明るい色を被せたり、ホワイトを加えたりしても光を表現できます。
- 背景を描きあげてから、テレピンやブラシクリーナーで溶かして白を浮かび上がらせる方法もあります。
- 背景に薄く溶いた絵具で描けば透明なものを表現出来ます。
油絵をデジタルで描くには
デジタルで絵を描く方法を、iPhoneで使える無料アプリのibispaint xを使って説明します。
スケッチを作る
半透明の大きなブラシを使用してスケッチします。または下描きの写真を取り込みます。
影をつける
スケッチの下にレイヤーを作成し、スケッチと同じ色を使用して、図面のどこから光が来るかを考えながら影を加えます。
色をつける
スケッチとシャドウの下にレイヤーを作成します。筆を使って好きな色を塗っていきましょう。
それぞれのレイヤーのブレンドレベルを調整することが出来ます。レイヤーを丸ごと塗り潰してブレンドレベルを下げると地塗りのような効果を出すことも出来ます。
デジタルはさっと描くことも出来るので、油絵作成の色彩計画のために使用するのもありだと考えます。
油絵での花の描き方
花をモチーフに描く。花を写実的にそっくりに描くのではなく、その特徴を強調、簡略化して絵づくりの要素としてとらえましょう。
花のアウトラインを描く
花のアウトラインを描き入れます。
花に色をおく
筆、ペインティングナイフで色をおき、整えます。
細部、正確さにはこだわらず、特徴をつかみ「感じ」を描き出しましょう。
花の中心、葉を描いて仕上げ
葉の形を整え、強すぎない程度の色をおく。花の中心部分を描き込んで一気に仕上げます。
指やスクレーパーを使ってみましょう
指を使い微妙に伸ばしたり、混ぜたり、とったり出来ます。スクレーパーは、失敗したところを何度でも削ってやり直すときに活躍します。
油絵での写実の描き方
下書き
キャンバスに下描きをします。
地塗り
キャンバスに褐色系の絵の具を薄く刷毛塗りします。
下層描き
下層描きでは色数を絞り込み、 明暗構成を中心に人物の形を追っていきます。
その際、油絵の具の物質感を生かしながら、 厚塗りから薄塗り、また筆のタッチの強弱によって生き生きとした人物の存在感をとらえていきましょう。
グレーズ(重ね塗り)を用いた彩色
下層描きが乾いた後、油絵具の透明性を生かしたグレーズを用いて画面の色を深めていきます。 下層の色を利用しながら、画面上で色を調整します。色をつけたり取り除いたり、ぼかしたりしましょう。透明から半透明、不透明まで、 絵具の幅を十分使いながら描き進めましょう
油絵でのイラストの描き方
油絵で漫画のキャラクターを模写する時に注意が必要なことはラインを大事にしましょう。
キャラクターが引き立つような構図を取りましょう。
その他は油絵でイラストを描く手順は人物を描く手順とあまり違いません。
油絵の具の重厚感で平面のイラストに立体感を出すのも面白いでしょう。
オリジナルのイラスト制作にもおすすめです。油絵で描かれたものは存在感がありイメージの具現化に向いていると思います。
まとめ
油絵の描き方といっても多様にあります。習わないと始められないかというと、そんな事はありません。
私も画材屋さんに油絵の必要物品を聞いて購入し、後は自分で絵を描いてみました。
画溶液とブラシクリーナーの区別も分からりませんでした。ブラシクリーナーを用いて油絵を溶いて描くこともありました。
しかし後に、絵画制作にブラシクリーナーを用いることもあると知り、全くの間違いではなかったと解りました。
だからまずは自由に遊ぶような感じで油絵を始めてみると良いと思います。
写実やイラストの模写の下描きには下記の記事が使えます。
正しい模写の方法とは?初心者でも絵が得意になるやり方を解説! https://live-with-paint.com/2021/04/08/dessin-2/
コメントを残す